2001年の映画評



メメント (2001-12/28)
こりゃスゴイわ!見事だわ!スゴさが嬉しくてニヤついてしもた(^^;
主人公が前向性健忘症で記憶が10分しか保てないという設定で、
その主人公と同じ視点を味わうためにストーリーを逆転的に見せる。
つまり現在から過去へと時間軸が遡り、記憶の断片を映し出す。
この形式がなんとも巧い!アイディアの勝利。ノーラン監督のセンスに脱帽。
脚本を書くのも難しいだろうし、それを映像化す るのも至難の技だ。
それらをとても巧妙に描ききってる。こんな映画、かつて観たことがない。
観てるうちに(主人公と同様)こっちも頭ん中がこんがらがってくる。この感覚がたまらん!


ハリー・ポッターと賢者の石 (2001-12/26)
とにかくこの内容で2時間半は長い!長い割に大したエピソードもない。
まあ続編続編で結局は十数時間の物語になるだろうから、
今回はその序章だと思えば、こんなものだろう。
悪く言えば、映像も話もベタで新鮮味がない。
良く例えるなら“優等生的な作品”。全てを無難に満たしてる映画だ。
ただ、なんでもかんでも魔法で片付けるのはズルイ。
それじゃあ、なんでもアリじゃーん!ってことになっちゃう。
NHK夕方の海外ドラマの豪華版って感じ(^^;


バニラ・スカイ (2001-12/14)
観終わった時、心の中でどう処理していいのか分からない作品。なんだコレ?
意外なラスト?を期待していたから、他愛ないラブストーリーでも2時間それなりに緊迫感あったけど、
結局あんなラストじゃなぁ...あれじゃあ何でもアリじゃん!って興醒め。
嫉妬、復讐心、罪悪感、虚栄などなど人間の嫌な部分を描いているので、
全く実のない内容でもないが、腑抜けな作品!と小声で言いたくなる作品。
プロデューサーも兼ねてるトムがペネロペとベッドシーンをしたいがための映画なんじゃないの?(^^;
でも主人公と自分の人生を照らし合わせて、いろいろ考えることはできた。


スパイキッズ (2001-12/7)
楽しい!楽しい!まるで予告編のような映画!
予告編って、本編のおいしい所だけを繋ぎ合わせていて、どんな作品も良く見えるよね?
実際に映画を観に行ったら、予告編の方がおもしろかったみたいなことってな〜い?
この作品は90分の予告編を見せられたみたいにおもしろさが凝縮されてるぅ!
展開は急ピッチだし、見せ場、見せ場のオンパレード。
ハッキリ言ってマンガみたいな映像なんだけど、楽しめること間違いなし。
上映時間90分という無駄なシーンを排除したセンスが素晴らしい。


スパイ・ゲーム (2001-12/5)
スパイ任務のミスから投獄されたブラピをレッドフォードが救出しようとする話なんだけど、
それは映画の最初と最後だけ、つまり「起承転結」の「起と結」だけで終りって感じ。
映画の全般は過去の回想シーンばかりで“二人のスパイ日記”状態(^^;
二人の絆、性格の違いを明白にするために回想シーンは必要と言えば必要だし、
一応、伏線ぽくなってはいるが、大きな見せ場が欠けていて退屈。
救出大作戦のメインストーリーもわりとあっさりしてて意外性がない。
一見ハイテンション風だが実はずっとテンションの低い作品。
二大スター共演!だけが売りだね。サスペンスやアクションの要素は物足りないなぁ。


リメンバー・ミー (2001-12/3)
韓国版「オーロラの彼方へ」の青春恋愛編。
そして、もうひとつの韓国映画「イルマーレ」と同じ題材である。
この作品は主人公の男女にそれぞれ交友関係が描かれている点がポイントで、
そういう意味では、孤独感をアピールしている「イルマーレ」の方が僕は好きだ。
しかも「リメンバー・ミー」は登場人物が出揃った時点で、
ストーリーのオチが容易に読めてしまう浅はかさがある。
でも、こういうファンタジックな片想い恋愛映画は大好きで、共感しまくってしまう。
片想いプロフェッショナルふじふじ(!?)としては泣かずにいられない作品であった。
「人を一生懸命好きになると結ばれる方法ってある?」のセリフがお気に入り。


リベラ・メ (2001-11/26)
もう誰がどう見たって韓国版「バックドラフト」!でもリメイクではない。
オリジナルなストーリーだし、韓国映画のセンスの良さもある。
でも消防士の勇敢さ、男たちの友情、そして火災現場の謎...を描くと、
やっぱりこんな風に似たような作品になってしまうんだなぁ(^^;
火災の謎を追及するのがメインの筋なのだが、展開が停滞気味でなんとも退屈。眠くなる。
でも最後の病院の場面は迫力あって、眠気も吹っ飛んだ。
上映時間2時間はキツイ。90分くらいに凝縮してほしい。


シュレック (2001-11/8)
大きく分けて、子供向け作品には2種類ある。
大人も楽しめるエンターテイメントと大人が観るに堪えない幼児的なもの。
この映画は明らかに後者であり、娯楽大作とは呼べない稚拙な展開の作品である。
...と感じながら1時間以上、退屈しながら観ていたら、ラスト20分くらいで、
怪物シュレックが自分のコンプレックスを打ち明ける場面があり、
その気持ちに共感して意外にも泣いてしまった。そして最後には少し勇気づけられた。
でも全体的にはつまらない内容なのは否めない。


トレーニング・デイ (2001-10/26)
ホントにアカデミー賞有力作品なのだろうか?
全米2週連続1位なのは事実で、それなりに最低限の見応えもあった。
でも、この映画はどういう風に観ればいいのか最後まで心の整理がつかなかった。
正義、道徳心...がテーマで、純粋に正義側に感情移入すれば分かり易いのだろうが、
そう簡単な気持ちでは観られなかった。ホントどう捉えればいいか困りながらの観賞だった。
ただひとつ、デンゼル・ワシントンの悪徳ぶりは板に付いてて、こんな役の方が似合ってると思えた。


ムーラン・ルージュ (2001-10/23)
スゴイ!素晴らしい!こんな映画を観られて幸せぇぇぇ!
ストーリーはわりとベタだが、映像と音楽とパフォーマンスに圧倒される。
前半と後半で印象が多少変わってくる流れがあり、後半は切なく悲しいしっとりした感じだが、
前半はまるでジェットコースターにでも乗ってるようなテンポの良さで、
コミカルでポップなシーンの目白押し。スクリーンから目が離せない。
こんな絵コンテどうやって書いたの?って驚き桃の木山椒の木状態(@_@;
僕的には前半のノリをもっと観たかった気もするが、でも全体的に高く評価できる作品。
まるで魔法のような映画でしたッ!オープニングのセンス好きだなぁ。


リリイ・シュシュのすべて (2001-10/11)
衝撃的な内容であるため賛否両論ある作品かも知れないが、
僕が思うに、感情移入して観るべき映画ではないのだ。
内容的にも手法的にも“こういう映画”として捉えるべきで、良いとかスゴイとか思いたくはない。
内容的には、ある種、残酷な展開をただ傍観するだけの第三者となり、
手法的には、岩井俊二の新しい試みを御手並み拝見風にチェックを入れる。
BBS投稿形式で始められた斬新なインターネット小説を原作として、
それを岩井俊二がどんな風に映像化するのか?を目撃するのは価値ある貴重な体験なのだ。
この作品が映画化されるまでの経緯を知って観れば、より楽しめるはず。
ただひとつ、敢えて希望を挙げるなら、文字の少ない映像にしてみて欲しかった。


おいしい生活 (2001-9/21)
日本公開、今年2本目のアレン作品...という事実だけで飯三杯は食える!
しかも「地球は女で回っている」以来の本人主演モノ!
ストーリーや他のキャストはどうあれ、スクリーンにアレンが登場するや否や、
僕は嬉しくて嬉しくて満面の笑顔になってしまった。キャ〜!アレ〜ン!
相変わらずの神経質な小心者キャラ健在で、始まって5分もしないうちに僕はこの映画の虜となった。
もちろんストーリー展開的にもアレンのセンス満載で、ファンにはタマラナイ逸品だろう。
人を高く評価する時、天才だの秀才だの、才能云々を褒める言葉がよく使われるけど、
僕はアレンを素晴らしいセンスの持ち主だと評価したい。やっぱアレンのドタバタ喜劇は最高!
でも、力量の6、7割程度で作った映画って感じもするけどね(^^;


ソードフィッシュ (2001-9/19)
見応えのある映画。1時間40分ずっとスクリーンから目が離せない。
派手な演出やミステリアスなストーリー展開がスタイリッシュに描かれている。
アクションシーン等の“動”な作品だけが見応えのある映画という訳ではない。
“静”の作品でも見応えがあり魅了される映画はある。
“動”でも“静”でも、映画はある程度の見応え、(観終わった時の)充実感がないとつまらない。
この「ソードフィッシュ」はそんな充実感が味わえる作品だと言える。
すっごく意外!という程でもないが、最後まで観ないと分からないオチもあり、
何より冒頭クライマックスから始まる構成で、イキナリ釘付けになってしまう。
でも主演のトラボルタはイケてるの?(^^;


コレリ大尉のマンドリン (2001-9/17)
あまり良い作品と思えなかった。だからと言って特別出来の悪い映画でもない。
とにかく登場人物の誰にも感情移入ができず、話に心奪われることはなかった。
人物の心理描写がいまいち薄っぺらく、恋に落ちる展開に不自然さを感じる。
タイトルにもなっているマンドリンという小道具さえ巧みに使われてるとは思えない。
ただ、“戦争という悲劇が恋の成就を阻む”という内容が「パールハーバー」と類似するが、
「パールハーバー」よりは「コレリ大尉のマンドリン」の方が好きな映画ではある。
戦争の愚かさ、残酷さ...は感じ取れる作品。


イルマーレ (2001-9/9)
好きな映画、心に残る映画が1本増える度に、とても幸せな気持ちになる。
今迄の自分の人生への褒美、あるいはこれからの人生を激励してくれるような気分を味わえる。
まさに「イルマーレ」がそんな作品で、生涯忘れられない大切な映画になってしまった。
ベタなラブストーリーだけなら観る気もしないが、この作品は壮大なファンタジーを描いた恋愛映画である。
しかも映像が美しく、脚本も緻密で、不思議な物語なのに不自然さを全く感じさせない。
いつもひとりぽっちで時間を過ごす主人公の青年、文通で互いの心を打ち明け合う二人...
僕の共感モードは全開で、切なくて切なくて中盤から涙が止まらなかった。
泣き過ぎて、観終わった時、頭が痛くなったくらい(^^;
切なさを助長する素晴らしい音楽も印象的だった。


カルテット (2001-9/7)
観終わって思ったのは、良いとか悪いとかの評価でなく、
久石譲ってこんな風な映画を作るんだぁ。はは〜ん。ふ〜ん。
久石譲の音楽映画というだけあって、
楽器を演奏するシーンと流れてる音楽に距離感(違和感)がないのはさすが。
袴田吉彦がバイオリンを弾いてる場面なんかは圧倒的に魅了された。
でもストーリー展開がパターン的だし、演出やセリフもところどころベタだった。
藤村俊二の配役効果も分かり易過ぎで興醒め。
あと、久石譲の遊び心かサービス精神かも知れないけど、
挿入曲として「となりのトトロ」や「HANA-BI」を使うのはズルい!やんない方がいいのにィ。


ウォーターボーイズ (2001-8/24)
お〜んもしろぉぉぉい!さすが矢口史靖監督作品!
アクシデントロードムービー的な「ひみつの花園」「アドレナリンドライブ」とはまた違った楽しさが満載。
竹中直人、柄本明の効果もそうなんだけど、わりとベタな小ネタ笑いの映画で、
でもそんなベタさも連発されると愉快にならずにはいられない。
♪学園天国がテーマ曲に起用されてて、例えるなら、曲の楽しさそのままの内容って感じ。それ以上かな(^^;
映画を観たぁ!楽しんだぁ!という充実感を得られるエンターテイメントだね。
眞鍋かをりの使い方や平山綾の登場シーンも笑える。上手い上手い。
“元気”を貰いました。ごちそうさま。


ブリジットジョーンズの日記 (2001-8/21)
イケてない(という設定の)女性が主人公のラブコメディ!まさに王道!
ちょっぴり小粋な小品って感じで、気負いなく観ることができる。
映像で遊ぶ風な「アリーmyラブ」的演出も楽しめる。
ただ、同名ベストセラー小説の映画化ということで、原作のニュアンスを大事にしてるんだろうが、
妙に原作に媚びてるって言うか、昇華し切れてない気もする。
日記構成にこだわってるのがあまり上手く活かされてない。
レニー・ゼルウィガーはなかなか好印象で、いい味でてる。今後注目!
ヒュー・グラントにはもっと誠実な好青年を演じてもらいたいなぁ。


キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001-8/8)
シリアスなジャッキー・チェン映画ハリウッド版てな感じ。
パリを訪れた中国人捜査官が地元ワル刑事の罠で犯人に仕立て上げられ、
無実を晴らすため、悪党一味と闘って闘って闘いまくる!って話なんだけど、
ジェット・リーが強いのなんのって、セガールやブルース・ウィルス以上に無敵。
無敵過ぎて、もう笑うしかない!針をツボに刺す技も映画的に卑怯(^^;
スピード感があってテンポ良くて緊迫感が持続して90分「あっ」と言う間で、
軽い気持ちでそれなりに楽しめるけど、心には全く残らない映画ですぅ。
まあ、誰でも想像出来る範囲のアクションもの刑事ドラマだ〜ねぇ。


RED SHADOW赤影 (2001-7/30)
キャストが豪華!しかも配役が絶妙なので、それだけでも見応えがある。
赤影たちが敵城に忍び込むシーン、闇の者同士が闘うシーンなど、
テンポがありコミカルで斬新な映像に魅了される。
でも中弛みするようなシーンも数々あるので、全体としては物足りない感じがする。
センスある中野裕之監督作品なので不平不満を言うのは口幅ったいのだが、
敢えて好き勝手なことを言わせてもらうなら、
もっともっと楽しめる面白いエンターテイメントに仕上げられたはずッ!
麻生久美子や奥菜恵の“良さ”“らしさ”が画面に出てたのは流石!


猿の惑星 (2001-7/20)
好きなティム・バートン作品だからケナしたくないけど、なんてことない映画だねぇ。退屈してしまった(^^;
ストーリー展開が単調で抑揚がなく、コレといった見せ場もない。
最後の30分くらいはちょっと見応えがあるかなぁ?程度。
意外なオチ!?と言われていたけど、小説通りのラストで暖簾に腕押し状態。
映像にティム・バートンらしさも感じられなかったので物足りない。
ティム・ロスは強暴な演技が凄かったけど、とにかく猿のメイクで本人かどうか分からんのが難儀やなぁ。
これなら旧作「猿の惑星」の方が衝撃的で良いかも。
でも確かに旧作とはストーリーが違ってた。リ・イマジネーション!


千と千尋の神隠し (2001-7/11)
もう最高!最高!最高ッ!スゴ過ぎる。素晴らし過ぎる。
楽しくて楽しくて嬉しくて嬉しくて、悲しくもないのに涙がこぼれる程の秀作!
かわいいキャラのオンパレード、細かい伏線の数々、想像を絶するようなアイデア……
2時間5分、スクリーンに釘付け。目が離せない。観終わった時、すごい脱力感で席から立ち上がれなかった。
映画終了後、自分の意識に現実感を取り戻すまで相当時間が掛かった(^^;
例えるなら、3日間も4日間も連日ディズニーランドで遊びまくったよな充実感!
この映画なら1万円払って観ても惜しくないよ。今年の心のベストワン最有力候補だね。
これ以上のメルヘン作品、ファンタジー作品は他にはナイ!
ある意味、宮崎アニメの中で最高傑作。宮崎駿アッパレ!


パール・ハーバー (2001-6/26)
人としての基本感情である“喜怒哀楽”のどの気持ちも全く揺さ振られることがなかった。
戦争映画なら必然的テーマであるはずの「戦争の愚かさ・残酷さ・悲惨さ」も伝わってこなかった。
例えば「プライベート・ライアン」のノルマンディ上陸のシーンはあまりにリアルで、
辛くてスクリーンから目を背けてしまう程の内容が描かれていたが、
「パール・ハーバー」の真珠湾奇襲シーンは迫力こそあったものの、とても無機質的だった。
迫力さにしても、製作費200億円のほとんどを費やした程のスケール感はない。
「タイタニック」を模倣したような構成展開と、薄っぺらい人間ドラマ……
声を大にして、この映画は最低!と言うこともないが、
こんな映画に感動して賞賛するような人のセンスは疑ってしまう。


A.I. (2001-6/19)
スピルバーグはどんなテーマでも、わりと「楽観的・前向き」に描くのが特徴で、
その要素が娯楽性にも繋がり、子供から大人まで愛される映画になり得た訳だが、
この映画は違うと思う。ハッピーエンド風な展開に心打たれ涙する人も多いだろうけど、
僕はアンハッピーな結末だと解した。確かにエンターテイメントとして楽しめるシーンが満載だが、
表現されてる内容には、残酷さ・悲しみ・辛さ……等の「悲観的」テーマが強烈に読み取れた。
スピルバーグが監督した作品ではあるが、やはりキューブリック色が強いということは否めない。
この映画を子供に見せるな!とは言わないが、恐怖や悲しみのトラウマになるような気がする。
賛否両論ある作品だろう。


ロスト・ソウルズ (2001-6/6)
“高い人気と実力に反し、つまらない作品ばかり出てるウィノナ”の決定版!(^^;
なんなんだぁ!この映画は何の目的で作られたぁ?
「エクソシスト」を更に地味にしたような内容で、テンション低い低い。
ウィノナはカフェラッテ飲むし、寿司ディナーがあるし、
着物女性の意味ないシーンがあるし、コレは日本に媚売る映画かぁ?
神を信じるのなら、その敵の悪魔の存在も信じなさい……なんじゃそのテーマ?
でもウィノナは良かった。恐怖に慄きまくる表情の彼女もイケるね。最高!
ノースリーブの時、右腕にタトゥあったけどアレ自前かなぁ?ウィノナ〜!


マレーナ (2001-6/1)
主人公の少年レナートの恋心と僕自身の恋愛に対する態度とがダブった。
“憧れて、ただ見つめるだけで、何もできない無力な想い”
そんなレナートと僕自身がとても切なく思えた。
でもそんな恋だからこそ、悲しい“美”として映画的に成立するのだ……と自分を慰めた。
そんな想いを僕は「悲壮美」と呼びたい。悲しみの中に秘めた勇ましさ。映画を観ながらそんなことを思った。
前半は馬鹿馬鹿しいくらいレナートの妄想シーンのオンパレード!(それがまた良い!一種のファンタジー)
でも後半は人間の醜さ・悲劇が描き出されていて、深い内容になっている。
トルナトーレ監督のセンスとエンニオ・モリコーネの音楽に拍手を贈りたい。


みんなのいえ (2001-5/25)
どうした三谷 !?三谷幸喜の実力が半分くらいしか発揮されてないように感じた。
ベタな笑いが多過ぎ!三谷がベタな笑いを乱用するのは構わないが、
ヒネリある笑いが幾つかあった上で、ベタなものも効果的に笑える訳で、
今回は三谷らしい複雑な笑いが少ない。いや、なかったかも。
それとカメオ出演が多過ぎて、まるで安っぽい企画モノ映画みたいだった。
三谷ファンとしては少し期待ハズレ。「ラジオの時間」が素晴らしかっただけに残念。
やっぱり三谷は密室シチュエーションコメディものの方が良い。
ココリコ田中や田中邦衛などのキャスティングは絶妙なんだけどね(^^;


リトル・ニッキー (2001-5/23)
次期アカデミー賞の全部門を獲得すること必至!
「ベンハー」「タイタニック」を遥かに超えるスケールの大きさと感動。
「アルマゲドン」「インデペンデンスデイ」を彷彿させる驚異のSFX。
「ライフイズビューティフル」「プライベートライアン」に匹敵する心に染み入る人間ドラマ。
ディズニー映画のようなファンタジーとメルヘンの世界、愛と冒険。
子供から大人まで楽しめるエンターテイメントな大傑作!
↑というのは全て嘘です。そんな嘘を書きたくなるような“超おバカ映画”なのです(^^;
なかなかセンスの良い馬鹿馬鹿しさに圧倒された!


メトロポリス (2001-5/19)
まず偉大なる手塚治虫の想像力に改めて敬服してしまう。
そして壮大なスケールでアニメ映画化されていることにも圧倒される。
更に本多俊之の音楽がストーリーと映像をより一層スタイリッシュにしていることも高く評価する。
でもどうだろう?作り手の思い入れと、才能や技術を駆使して自己満足する範囲を越えているだろうか?
つまりエンターテイメントの要素が弱いような気がしてならない。
この作品に過剰なエンターテイメント性を求めるのが間違いなのかも知れないが、
ストーリーを展開させるためのノルマを果たすのに精一杯という感じもして、
2時間わりと退屈したのも否めない。派手なようで地味な映画。


グリーンフィンガーズ (2001-5/16)
囚人がガーデニングに夢中になり、遂にはコンテストにまで出るというイギリス映画。
イギリス映画はスタイリッシュで上品な作りなのが良い。
この作品も爽やかで気持ちのいい内容になっていた。
特に、クライマックスの序章部分がいきなり冒頭シーン!という作りが良い。
でもストーリー展開が淡淡としていて、物足りなさを感じたのも確か。
「友情」「死」「生きがい」等、わりと良いテーマを扱ってるのにイマイチ深みがない。
それともっとコミカルな要素を全面に出してほしかったかなぁ。


あしたはきっと… (2001-5/10)
もう王道の青春映画。正統派青春映画バンザーイ!って感じ。
観ていて恥かしくなるくらい青春ど真ん中シーンの連続なので、
そういうのが苦手な人は観てられないだろう。僕は大好きなのらぁぁぁ!
もし仮に万が一、僕が映画を作れるならこんな作品を撮ると思う(^^;
青春時代にツライ時間を過ごし、人一倍青春に執着した監督なのかも知れない。
同じ日を何度もやり直すというファンタジー的ストーリーがまたいい!
ただ、そんな展開に至る迄がちょっと長いかなぁ?もっとファンタジー要素を全面に活かしてほしかった。
意外だったおばあちゃんネタはツボにはまってウルウルしてしまった。


チャーリーズ・エンジェル (2001-5/7)
天六ユウラク座のリバイバル上映を観に行った。今更ながら(^^;
「007シリーズ」然り、「MI−2」然り、この手の作品はストーリー重視ではない。
ストーリー自体に面白さを求めるのは大きな間違いと言えるだろう。
アクションや映像の凄さに圧倒されて楽しめればOK!
テレビ版に即して作られている演出は合格点。
何より、お色気アクションシーン満載なのが良かった。堪能いたしました。


ザ・メキシカン (2001-4/26)
ドジなブラピがマフィアや殺し屋に狙われメキシコを珍道中!
ビデオ借りてきて夜中にお菓子でも食べつつ部屋で観るには最適の映画だね(^^;
気負いなく気さくに楽しめる作品。
散歩中にお腹減って吉牛でも食べる感じの満足感かなぁ。
訳分かんないヘタな映画観るよりは、よっぽど充実感のある作品だとは思うよ。
ただ“初めてのデートで観に行った映画”とかじゃない限り、心に残る作品ではない。
ブラピのお茶目な演技は楽しかった。ファンなら必見!


ショコラ (2001-4/23)
いろんな映画紹介で言い尽くされてるコピーだが“大人の寓話”と呼ぶのがピッタリの作品。
ほんのり幸せな気分になれる映画だ。
フランスの村が舞台なので、画的にはフランス映画っぽく、
でもアメリカ映画なのでソフィスティケートされた感じがあり、観ていて気持ち良い。
ストーリー構成も僕の好きなパターンだった。
僕もヴィアンヌにチョコを選んでもらいたくなったよ。悩みとか解決できるかも(^^;
最近のジョニー・デップは奇怪なビジュアル系マスク(!?)の映画出演が多いけど、
今回みたくシンプルマスクの方が格好良さが分かるね。


トラフィック (2001-4/19)
とにかくしんどい!2時間半ずっとしんどい!観てるのがしんどい!
この映画の印象をいろんな例えで説明しよう。
例えば、雑誌に連載してある400字程度の短いエッセイを1冊の本にまとめた感じ。
あるいは、麻薬をテーマにしたオチ抜きの「マグノリア」みたい。
つまんない映画が具なしピザだとしたら、この作品は具沢山なのに食べてみたら全く味のしないピザって感じ。
ピザの例えでも分かるように、つまんなくてしんどい訳ではない。
一応、充実した内容なんだけど、抑揚がなく単調で話に入り込めない。
脚本や構成が難しい映画なのに、それは上手く出来てるなぁと感心したよ。


天使のくれた時間 (2001-4/9)
これは大人のファンタジーである。
ひとつでも多く歳を重ねた人の方が、この作品の良さをより感じられるのではないだろうか。
「そんなこと体感させるだけ体感させといて可哀相やん!」とか、
「おいおい、それは独り善がりな告白ちゃうの?」などなど、
ツッコもうと思えばツッコめるような場面は多々あるが、この映画にとってそんな要素は重要なことではない。
何を大切に思うか?何を幸せだとするか?いろんなことを改めて考えられる映画なのだ。
いろんなことを勝手に妄想して、映画と関係ないことで涙してしまった。
ただし、ニコラス・ケイジのビキニパンツ姿は頂けない!(^^;


リトルダンサー (2001-3/29)
公開されて1ヶ月以上もの間、数々の「感動」の噂を聞いていたせいかも知れないが、
僕の中で期待が膨らみに膨らみまくっていた。
それがいけなかったのか、実際に観たら「ふ〜ん。こんなもんかぁ」ってな感じで、暖簾に腕押し状態(^^;
でもだからって決して悪い作品ではない。涙する映画であり、勇気ももらった。
“優しい勇気に包まれ、生きるための希望も生きるうえでの厳しさも知る”ような内容。
僕の場合、主人公ビリーより、その父親に感情移入して観てしまった。
正しいかそうでないかは別にして、年老いてから自分の価値観を変えなければならないのはとてつもなくツライ。
それでもそんなツライ思いをしてまでも守るべきものがある尊さ……に感動した。


チキンラン (2001-3/28)
あの「ウォレスとグルミット」を最高の娯楽作品だと思ってる僕にとって、
アードマンのクレイアニメがつまらないはずはない!
面白くて当然!という期待を裏切られることなく、大満足できる見事な映画だ。
細かい描写を丁寧に作り上げてるし、センスが良く下劣じゃないユーモアもありまくり。
何より、スピーディーで様々な要素を含んだテンポの良さに目も心も釘づけになる。
85分が本当にあっという間。30分くらいに感じたよ。
もっと観たい!って物足りないくらい。まあ、大筋はかなりベタなんだけどね(^^;
かの有名な「大脱走」をパロってるところも憎いねぇ!このぉ!


ハンニバル (2001-3/22)
まず結果的な感想を言うと、たいしたことない作品だった。
悪い出来ではないが、皆が絶賛しまくり、遂には記録的大ヒット!てな感じに値する映画ではない。
先に原作を読んでいたのだが、つまらない原作と比べると、映画の方が相当面白いとは思う。
原作の(ある意味)無駄なシーンを排除して、上手く130分に濃縮してある作り方はテンポも良く見応えは感じる。
原作にないラストシーンの追加も、あまりにもハリウッド映画的ラストではあるが、好ましい終わり方だろう。
オペラやクラシックをインサートすることで、格調高い作品に仕上げてるリドリー・スコットの演出も素晴らしい。
でも、原作にもあるあの衝撃的(!?)ラストシーンの映像化はイタダケない。
B級スプラッター映画みたいで、怖いというより、むしろ滑稽であった(^^;
あと、ゲイリー・オールドマンはあれでいいのかぁ?なんじゃあれ?


ギター弾きの恋 (2001-3/15)
全米公開から約一年。待ちに待ったウディ・アレンの新作!しかも限定試写会!(^-^)v
SF、コメディ、アクション、オカルト、ヒューマンドラマ……ジャンルはいろいろあるけど、
アレン作品はどれにも当てはまらない。“ウディ・アレン”というジャンルなのだ。
だから、笑いに笑いまくって楽しかったから最高の映画、感動して涙が止まらないから忘れられない映画、
そういう判断で計り知るべき映画ではない。アレンのセンスを感じて至福の時間を味わうのだ。
不覚にも、僕はラストシーンで主人公の気持ちに自己投影して泣いてしまったが、
この映画を観たある人が言ったように、「感情移入して観る映画じゃない」のだ。その通りだと思う。
アレンの余裕ある力量に拍手!そして至福の時間に感謝!


小説家を見つけたら (2001-3/5)
味、量ともに心ゆくまで満喫できる料理は最高だ。
この映画は素材も良質で味も美味い。でも量が少なく満腹感が得られない。
結末でほんの少し涙がこぼれた。ただ、残念ながら心が洗い流される程の感動ではない。
年老いた幻の作家と16歳の少年が交流する話だが、
アル・パチーノの「セント・オブ・ウーマン」に類似する印象を受けた。
少年は文才があり、成績も優秀、更にバスケが上手い、と一見嫌な感じだが、
傲慢な態度じゃなく好感が持て感情移入し易かった。
幻の作家はどうして書かなくなったのか?……その背景はもっと語って欲しかった。


サトラレ (2001-3/2)
「トゥルーマン・ショー」を彷彿させるような奇抜なストーリー設定。
笑いあり涙ありの圧倒的エンターテイメント作品。
早くも2001年ふじふじ心のベスト10の第1位候補!
是非是非、大ヒットして欲しい映画だと本気で思う。
「踊る大捜査線」「スペーストラベラーズ」「サトラレ」と本広克行監督作品は今のところ失敗作ナシ。
本広作品は娯楽要素たっぷりで、感動的でもあり、何よりPOP!
次回作も大!大!大期待せずにはいられなぁぁぁい!(^^;
「サトラレ」はキャスティングもバッチリでしょう。


キャスト・アウェイ (2001-2/27)
トム・ハンクス!トム・ハンクス!トム・ハンクスぅぅぅぅぅ!みたいな映画(^^;
内容は深いようで実はわりと単純明快。でも決して悪くはないテーマだ。大人の映画って感じ。
とにかくトム・ハンクスの役者魂にアッパレ!アカデミー主演男優賞ノミネートされるだけある!
無人島のシーンはセリフも少なく音楽もない……(ゼメキス監督は面白い演出をするねぇ)
だからこそ、数少ない要所に流れる音楽が観る者の心を効果的に盛り上げる。
どんな風に過ごそうと、時間は同じように過ぎ去って行く。だったらなんだってやりたいことをやろう!
そう改めて思った。「生き続けて、波が帆を運んできてくれるのを待とう!」
ただ、島から生還した後の展開は納得いかないなぁ(^^;


スナッチ (2001-2/26)
一言で表現するなら“スタイリッシュなクライムムービー”ってとこなんだけど、
これがなかなかイケる!楽しい!ワクワクする!カッチョイイ!
登場人物が多過ぎて中盤まで何が何やら訳分からんかったりするけど、
脚本が軽妙に入り組んでて、映像も音楽もセンス良く、
100分の上映時間が“あっ”という間に感じる。ガイ・リッチー監督に拍手!お見事!
サントラ欲しくなったし、何より彼の前作「ロック、ストック……」も観たくなったよ。
そして、ブラピはこういうヨゴレ役の方が似合うね。おいしいとこ持って行き過ぎだけど(^^;


 (2001-2/20)
昨年の作品だが、今年になり数々の映画賞を受賞。リバイバル上映を観に行った。
予備知識としては“笑える”ということだけで、ストーリーも全く知らなかった。
観てびっくり!笑えるどころか、とてつもなく悲しいツライ話。
借金苦で自殺する人、リストラされ妻にも逃げられ追い詰められる人、
暴力団絡みで殺される人、何より主人公は妹殺しで逃亡生活。
でも、藤山直美の存在感はただそれだけで“笑える”感あり。スゴイ女優さんだぁ!
逃亡生活中に好きになった人に言うセリフは、ある種、名セリフ。
「もし、お月さんが西から昇ったら、私と一緒になってください」


溺れる魚 (2001-2/17)
堤幸彦監督作品だから、分かり易くハッキリ言うと「ケイゾク」「トリック」みたいな映画。
斬新な演出方法だけど、もうすでにテレビで見慣れてるので、
わざわざ劇場まで足を運んで観る程の作品ではないことも確か。
でも面白いと言えば面白い。メインストーリーはたいしたことないけどね(^^;
本筋とは関係なく全編に散りばめられた小ネタが笑えて面白いってこと。
ただ、その小ネタも“分かる人だけ分かればいい”的なものなので、
果たしてどのくらいの年齢層までがこの映画の面白さを理解できたのやら?
椎名桔平も窪塚も仲間もいい味だしてるよぉ。


バガー・ヴァンスの伝説 (2001-2/9)
アメリカ版「プロゴルファー織部金次郎」だった(^^;
ロバート・レッドフォード監督作品って穏やかな映画で悪くはないんだけど、抑揚がなく少し退屈する。
展開もかなりベタで、誰でも容易にストーリーが読めるようなシンプルさ。
“人生で起こる事はゴルフでも起こる”みたいなテーマって、今更わざわざ映画で描く必要があるんかなぁ?
ゴルフ好きな監督が自分の趣味の延長で作ったと解釈すると納得できるけどね(苦笑)
最後のホールでジュナ(マット・デイモン)が嘘をつかなかったシーンは良かった。
人生を勝負に例える人がよく居るけど、この映画を観て僕が思ったことは、
人生、別に勝たなくても引き分けでいいじゃん!


アンブレイカブル (2001-1/29)
分からん。訳分からーん。何が一体どうだと言うのだぁ?
至るところに伏線が張り巡らされてるという触れ込みだが、
そんなん全くと言っていいほど気づかなかった。僕の理解力不足?誰か事細かく教えてくれぇ(^^;
話は全般的にずっとテンション低く、ちょっと退屈でさえあったけど、
衝撃的なオチを期待して我慢すること約100分。えっ?これで終わり?みたいな結末。
んんん……確かに意外なオチではあったけど、「シックス・センス」ほど目からウロコではなかった。
もう一度観たら、全てのシーンの意味が分かって面白いと思えるのかなぁ?(+_+)


ギャラクシー・クエスト (2001-1/25)
CG技術が物凄〜くなってる昨今、マジでSF映画作られても興醒め。
でも、この映画は違う!めちゃめちゃおバカで笑える!
おバカなのに本格的なCG使ってお金かけてる心意気に感服。
SFもののTVドラマをやってた役者たちが、本物の宇宙戦士と間違えられて、
本物の宇宙人に戦いを挑まれる……という設定がもう最高!
B級的扱いを受けてるけど、そんなことないと思うんだなぁ。立派なエンターテイメント作品です。
シガニー・ウィーバーが出てるってことも、それ自体がパロディぽくてグー!


ザ・ウォッチャー (2001-1/23)
例えば、この映画が「ザ・ウォッチャーpart2」だとして、「part1」が大ヒットしたので、
続編を作ってみたけれど、前作を越えるような出来にはなってなく、
期待して観た人は皆がっかり……みたいなイメージの映画だった。
事件を追う刑事の無駄な回想シーンが多いし、
連続殺人犯の動機も明かされないままだし、見事につまらない映画。
キアヌ・リーブスが殺人鬼だということだけが、この映画の“売り”なのだろう。
良い点はひとつ。上映時間が1時間半という短い作品だったこと(^^;


僕たちのアナ・バナナ (2001-1/22)
「ファイトクラブ」を観て以来、エドワード・ノートンに興味があったので、
彼の初監督作品はどんなもんだろう?と思って観てみた。
が、しかし、別になんてことない映画で、後半は少し退屈で、うとうとしてしまった(-_- ...zzz
きっと初監督作品なので、ノートンは自分の青春時代の思い出、
もしくは青春への憧れを作品化したのだろう。自分のための自分の映画ってかぁ。
まあ、そんな映画、僕的にはわりと好きなんだけどね(^^;
幼なじみの二人がカトリックの神父とユダヤ教のラビになったという設定をもっと活かして、
笑いたっぷりのコメディにして欲しかったかな。


PARTY7 (2001-1/9)
例えば、観て良かった映画がとっても美味しいディナーの料理だとすれば、
この作品はマクドのカルビバーガーのようなものだろう。
わりと美味しくて満足だけど、所詮はファースドフード。すぐにお腹も減っちゃったりする。
とにかく「ドリフの大爆笑」みたいな映画で、何本ものコントを連発した的おもしろさ。
下品ネタからシュールネタまで、笑わせるシーンの連続だったので楽しかった。
客席も笑いにバラつきがあって、ツボにはまった一部の人だけが笑ってる様子が妙だった。
永瀬は普通な感じ。浅野は相変わらずなキャラ。意外と堀部の演技が良かった。
こういうおバカ映画もたまにはいいもんだねぇ。