2002年の映画評



Jam Films (2002-12/30)
7つの短編オムニバス作品なので、2時間の映画を観る充実感とは違う。
だから1本の映画として「JamFilms」を評価するのは難しい。
と言いたいが、作品によってつまらなかったり、おもしろかったりする訳ではなく、
全てが楽しい。おもしろい。どの作品も興味深い。センスが良い。
まるでテーマパークで7つのアトラクションを体感するようなエンターテイメント。
15分の中で監督が自由に好きなものを撮る。
1本1本の成分表示は複雑なものではないが、飽きがくるようなシンプルさでもない。
何度でも足を運びたくなるテーマパークだ。
特に後半3つの作品は心にしっかり焼きついて忘れられない。


T.R.Y. (2002-12/24)
原作を読んでないから詳細は分からないけど、
多分かなり内容を端折った脚本だろうという印象を受けた。
原作に忠実でダラダラ長い映画になるより端折って的確な方がいいと思うけど、
でも本作は、そうすることによって味気ないものになっている。
まるで何かの取り扱い説明書を読んでるような味気なさだ。
それと、カット割りも含めて演出に新鮮味がなく、セオリー通り。
色んな意味で、昭和50年代に日本が無理して作ったSF映画を観てるようだった(^^;
もっとおもしろく作れる話なのに残念。


8人の女たち (2002-12/23)
正月映画ラインナップ、どれもこれも駄作に近い印象がある中、
本作のみが秀作と呼んで然りの作品だろう。
殺人事件推理劇を不思議な感覚で描き、楽しく見せる華麗なエンターテイメント。
次々に明かされる8人の女たちの秘密に驚かされ、
8人がそれぞれ不意に歌い出すミュージカルシーンにほくそ笑み、
そして画面を彩るカラフルな色合いに魅了される。
楽しいとか、悲しいとか、ツライとか、いろんな感情が入り交じり、
観終わった時、言葉で表現できない不思議な感覚に満たされてしまう。
“分かり易さ”と“複雑さ”がバランス良く巧妙に描かれた映画。


運命の女 (2002-12/19)
エイドリアン・ライン監督作品なので、
「ナインハーフ」「危険な情事」とまるで同じラインの映画と言える。
不倫、嫉妬、犯罪という展開のエロ系サスペンスの王道。
わざわざリチャード・ギアを起用して今時こんな作品を撮る気が知れない。
メガトン級のベタなストーリーにこの上なく興醒め。
いつの時代もモテる男に弄ばれる女性が尽きないなぁ...
と、モテない男の僻み全開で観ちゃう僕なのですぅ(^^;


ゴスフォード・パーク (2002-12/14)
集まった貴族たちが互いの憎悪を隠しながら宴。
階下ではメイドたちがご主人らのゴシップ話。
息つく間もない程の会話と会話の連続。
映画を観てるというより脚本を読んでるって感じ。
あんまり訳も分からぬまま時間は過ぎる。
後半、突然の殺人事件。アガサクリスティ的。
もちろん最後には犯人が分かる...と言うか登場人物の新たな関係性が暴かれる。
これがアカデミー賞脚本賞作品かぁ。ふ〜ん。しんどい(^^;
確かに脚本書く労力は大変なもんだろう。
人間の欲、嫉み、愚鈍さがハッキリ見えた嫌な映画でした。


ギャング・オブ・ニューヨーク (2002-12/9)
150年前のNYの街並みを再現した壮大なセットは圧巻。
でも、それ以外にホメるところが見当たらない(^^;
ディカプリオ?キャメロンディアス?別になぁ...なんてことない。
深いテーマを表現してる作品なんだと思うけど、
表面的に観た印象だと、話が散漫してて要点が薄っぺらい。
復讐劇?ラブストーリー?結局最後は話変わってるじゃん!てな感じ。
人間の内に潜む狂気、暴力性が全面に出てて、観たあと嫌な気持ちになりましたとさ。


この素晴らしき世界 (2002-11/29)
悲しくてツライ話を喜劇的に描く。
そんな方法を取ることで余計に悲しい作品となる。
涙を我慢して笑顔を作るイメージ。
ナチスのユダヤ人弾圧を、チェコを舞台に描いた映画なのだが、
非人道的な当時の背景がとても辛くて、笑うに笑えなかった。
でも日常を淡淡と描き(と言っても不条理な日常)、
しかも“笑い”だけ“悲しみ”だけの一要素を過剰に表現する訳でもない描き方。
こういう映画、大好きです。


K−19 (2002-11/27)
つまらないから観る価値ないよ...と事前に誰かに言われていたら、
こんなクダラナイ映画を観なくて済んだのに。そう思った。
全編の9割が潜水艦の中の話。つまりワンシチュエーション。
その場合、ストーリーの巧妙さだけが重要と言っても過言ではない。
が、この作品、なんのヒネリもない。新鮮味もない。
前半1時間はかなりひどくて、重厚な音楽で危機感を演出して緊張感をあおるけど、
な〜んてことはない。ただ緊急事態の訓練を繰り返してるだけ。
後半は実際のパニックが生じるが、取り立てて興奮する要素の欠片も無い。
しかも乗組員の人間ドラマの見せ方が薄っぺらくて無機質。
トゥルーストリーだから過剰な演出は要らない?つっても映画は娯楽だからさぁ(^^;
“5分に1度、メガトン級のパニックがやってくる”というコピーみたいだけど、
“5分に1度、退屈なアクビをしてしまう”が正解ですね。


ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002-11/25)
前作はハリーが魔法学校へ行くまでの詳細説明などのおかげで、
やたらと長い映画で退屈感を否めなかった。
でも今作は始まって5分くらいで本題に入り、すぐ内容に惹きつけられる。
にも関わらず、やっぱり2時間半以上もあって長い。
これでも原作を端折って端折って映画化してるらしい。う〜ん、もっと端折れ!
小さいものから大きいものまで見せ場は沢山あるけど、
どれもこれもヒネリがなく、王道路線真っしぐら(^^;
逆に言うと“ベタ”な内容で真っ向勝負できる力量は素晴らしい。
ファンタジー好きの僕だが、「ハリポタ」には魅力を感じないのが本音。


ピーター・パン2 ネバーランドの秘密 (2002-11/23)
前作の「ピーターパン」は僕的にはハマらなかった。
というのも、ファンタジーの要素ばかりが目立って、あまりに遠い話のような気がした。
でも今作はちょっと違う。まず時代背景が第二次世界大戦。
このファンタジーと掛け離れた設定が、逆にファンタジーに効果的なのだ。
厳しい現実の中で描くファンタジーの世界。リアルとファンタジー。
スイカに塩をかけて甘さを引き立たせるようなイメージ。
そして何より、ネバーランドへ行く女のコ、ジェーンが夢見ぬ少女であること。
冒険の中でジェーンと共感しながら、徐々にファンタジーへと惹き寄せられていく感覚。
とにかく、前作より良く出来た作品であることは間違いない。


マイノリティ・リポート (2002-11/18)
舞台設定は確かに素晴らしい。いいアイデアだと高く評価したい。
でもそれは原作がある訳で、監督や脚本家の勝ちではない。
近未来の小道具やCG映像の見応えはこの映画の“売り”だけあって確かに魅力的。
でも映像の凄さで言えば「スターウォーズ」の方が遥かに上だろう。
“意外な結末”が想像できない展開だったのは確かだが、
でも事実を知ってみると、結局は「火曜サスペンス」並みの内容でしかない。
“なんとか飽きずに観れるが観終わった時しんどい”程度の作品。
最高級の超娯楽大作を期待していたのに残念。


ごめん (2002-11/7)
こういうタイプの映画は好きだ。大好きだ。
“青春”と呼ぶにはまだ早いくらいの子供時代の、しかも恋の話。
大きな声では笑い難いような思春期のエッチネタにクスクス笑い、
それでいて胸がキュンキュンうるさいくらい鳴る切ない映画。
共感したり、羨ましく思えたり、ノスタルジックになったり...
いろんな想いに出会える気持ちのいい作品です。
ただ、思いきり大阪ロケで阪急電車が映りまくりなところと、
やっぱり、大人目線で書かれた脚本であることは否めないところが、
観ていて、ちょっと興醒めになったりもするけどねぇ(^^;


トリック 劇場版 (2002-11/6)
テレビと同じ面白さ。それ以上でもなく、それ以下でもない。
でも、それが良い!たまらなく良い!寸分の狂いもなく良い!
テレビドラマの映画化って、気負い過ぎてテレビ以上のもの、特別な内容にする傾向がある。
ドラマファンとしてはそれが余計に感じ、興醒めてしまう。
でも「トリック」はテイストそのまま。そのままが嬉しい。そのままが笑える。
毎週50分程度のドラマが、一気に2時間も楽しめるなんて、
ナント贅沢ッ!贅沢極まりない!
期待通りの映画...いや、良い意味で、予想通りの映画だった。


セレンディピティ (2002-10/21)
コレはもう誰が何と言おうと、ベタで小粋なラブコメディであるのは間違いなし。
“こうなるだろう”あるいは“こうなって欲しい”と思った通りの展開になる。
決定的“お約束”全う映画...だからと言って悪い訳じゃない。
N.Y.マンハッタンを舞台に流れるジャズ、そしてセオリー通りの話。そのベタさが気持ちイイ。
ツッコミたくなる場面も多々あれど、ベタなラブコメとして許せちゃう。
ただ、この映画、登場人物の誰に感情移入するか、どんな価値観に共鳴するかで、
観終わった時の気持ちが天と地。飴とムチ。SMAPと忍者(^^;
ああ可哀相な元カレ元カノ。メインストーリーの影に隠れて成仏してください。
ラストの再会で自己紹介するセリフは新鮮で心に残ったなぁ。


Dolls (2002-10/16)
恥かしい。恥かしくて観てらんない。
プロの(専業)映画監督なら恥かしくて出来ない、または、やらないようなベタな手法や内容を、
北野武は真正面から正々堂々とやってのける。
しかも何の躊躇も計算もなく (そんな風に見える)。
そのストレートさが無謀で新鮮に見え、高く評価する人も多いが、
僕はそうは思わない。正直言ってセンスが悪い。
画の撮り方、表現方法、センスを疑いたくなるようなシーンが何ヶ所もある。
“成就しない片想いこそが純愛”みたいなテーマには共感するが。


サイン (2002-10/7)
シャマラン作品は複雑。内容が複雑という意味ではない。
観た後の評価の仕様に困るという意味の“複雑”なのです。
観終わって分かるテーマというか、シャマランのメッセージそのものは好きです。
「素晴らしき哉、人生」にも似た“救われる気持ち”になる。
でも、そのテーマを衝撃的に見せるための全編のストーリー設定はどうだろう?
あまりに馬鹿馬鹿しくて、途中何度も苦笑してしまいました。
最後に断片的なパズルが組み合わさる意外性と、
たったひとつのことだけを導き出す映画的メッセージ...
それらを観る価値はあると思うが、作品全体的には高く評価できない。


ズーランダー (2002-9/28)
こういう“おバカ”映画、大好きッ!!
“おバカ”ならなんでもいい訳じゃない。もちろんセンスがないとダメ。
本作は監督・脚本・主演、そして自らプロデューサーも務めたベン・スティラーのセンスがキラリ☆
ベンが何もかも自分でやって作りたかった映画がこれかぁ...
と思いながら観るだけで、彼の意図に感化されて、ほくそ笑んでしまう。
日本語字幕にしてしまうと分かりづらい“笑い”もあるが、
バカさ加減の雰囲気に流されて笑ってしまった方が勝ちッ!てな感じ。
カメオ出演のウィノナはキレイで最高。


ロード・トゥ・パーディション (2002-9/21)
映画を観た!という充実感を伴う作品はそう数多くない。
良い、悪い、好き、嫌い、そんな感想は別として、
この映画は確実に充実感を味わえる作品だ。
一秒たりとも退屈しない映像、演出、演技、音楽。
ホント、サム・メンデスは綺麗な作品を撮る監督だ。
というか、綺麗に作品を撮る...と表現した方が適切かな。
緊張感が持続する、見応えある硬派な映画。
息子マイケルが最後に取った行動で、このストーリーは救われる。


チェンジング・レーン (2002-9/19)
利己主義であったり、互いに啀み合ったりする、
そんな人間の醜い部分が、このサスペンスの原動力になっている。
それはストーリーを面白おかしく見せるために必要不可欠なものなのだが、
描かれている人間の愚かな行動を観ていると不快極まりない。
そう感じるのは、醜い部分が自分にもあるからで、その事実に目を背けたい心の表れなのだ。
ストーリー展開を傍観しつつ、そんなことを感じ、気持ちがヘコむ。
コレは救われない映画なのか?と落胆すること必至。
でもラストはホッとする。ベタなオチだけど、この終幕で救われる。


ぼのぼの クモモの木のこと (2002-9/13)
“忘れること”と“思い出すこと”...そういうシンプルなテーマが、
何より心にジワッと染み入るものですねぇ。
まったりとした気分になれる、ホント癒し系の映画ですぅ。
ゴンチチの音楽が癒し度を増す効果もあるある。
CGの出来も高い。良く出来過ぎてて、逆に気持ち悪かったりして(^^;
でも、ポポの母子問題の設定に少し不自然さを感じたので、泣けませんでしたぁ。


竜馬の妻とその夫と愛人 (2002-9/6)
三谷幸喜ものだから期待しまくってたんだけど、
僕が求める“三谷センス”の最高ラインには到達していない作品だった。
この話、映画で観るよりも舞台の方が面白いだろうなぁと思う。
当たり前だけど、映画は市川準監督の作品なんだな。
情景を大切にしたり、“間”や映像センスが市川準のテイストで、
映画ファンとしては、それを良いと捉えることもできるが、
三谷ファンとしては、それが物足りない要因にもなる。
コメディの“間”は、やっぱり三谷自身の“間”で観たい。
でもキャスティングは贅沢で、このメンバーで舞台をやれば最高だろうなぁ。
僕が一番笑えたのはオチです(^^;


スパイキッズ2 (2002-9/4)
前作同様、テーマパークで時間を過ごしてるみたいな錯覚に陥る楽しい映画。
展開が理不尽だろうがマンガみたいだろうが、誰も何も文句言うな!的、趣き。
前作時より主人公の二人が成長していて、可愛くなくなってるんだけど、
それは子役起用映画の宿命。っていうか元々そんなに可愛くなかったし(^^;
とにかく奇抜なアイデア満載で、日常を忘れて満面の笑顔になれるぅ。
ところで、オスメント兄妹はナンボほど稼ぐの?


アバウト・ア・ボーイ (2002-9/3)
心のウエイトが2kgくらい軽くなった気がする映画。
優雅に暮らす独身38歳の男(しかも無職)と、ツライ境遇の少年12歳。
この二人が出会い、互いに影響し合う様が分かり易い構成で描かれている。
無駄な要素がないテンポ良い展開で、誰が観てもストレートに楽しめる。
難しい心理描写などなく、軽快な笑いが幾つもあり、音楽も“らしい”感じがする。
観て“大正解”ではないが、少なくとも“失敗”はない作品。
僕が密かに考えてる映画案と重なる点があったなぁ(^^;


ジャスティス (2002-8/30)
この作品のキーワードは“プライド=誇り”
心の葛藤を描く上で、極限状態の精神が如実に表われる捕虜収容所を舞台として選んだのか、
あるいは、先ず収容所の設定にし、そこに心の問題を構築していったのか、その真意は分からない。
サスペンスでもあり、ヒューマンドラマでもあり、反戦映画でもある。
でも何より“プライド”を強く描いた硬派な作品だと感じた。最後の10分くらいは心がブルった。
映画史上、特に目立つことも無い地味な作品だろうが、
良い意味で様々な要素が詰まった良質の映画。
B.ウィルスが出ることで、重みが半減するのも否めないが(^^;


インソムニア (2002-8/27)
A.パチーノ、R.ウィリアムス、H.スワンク、そして監督がC.ノーラン...
そして内容が猟奇殺人ものとくれば、期待せずにはいられない。
でも観てガッカリ。犯人と(その犯人に弱みを握られた)刑事のベタな物語。
“そのままじゃん!ヒネリないじゃん!だから何?”って感じ(^^;
必ずしも“意外性”がなければならない訳じゃないけど、ノーラン作品にしては暖簾に腕押し状態。
伏線?と思われるようなセリフもストレートな結果だったり、不眠症が軸なのも重要に感じない。
監督自身の心の中では全てが“必然性あり”なのだろうが、
そのほとんどが観てる側には伝わりきらないような映画になってるね。
ああ、超善人のロビンが観たい!!


バイオハザード (2002-8/20)
観た後に“何も残らない!残さない!残せない!”的映画の王道。
誰もが想像できる範囲のバカなゾンビ映画の枠は超えてないけど、
でも、観てる間の1時間40分は緊張感持続で退屈はしない。
僕的にはゾンビ登場までのハイテク研究所シーンの方が心拍数上がったなぁ。
あと、音楽はスリルあって宜しい。ミラ・ジョヴォさんもセクシー。
ベタな映画なんだけど、言いかえれば、余計なものがないから単純に楽しめるっと。


オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002-8/7)
オープニングが最高!贅沢極まる冒頭の演出。
この約5分くらいのオープニングだけでも観る価値ありまくりッ。
それ以後が仮につまらなくても(本編も面白いよ)、最初のシーンで僕は大満足。
ネタを言いたい!ああ言いたい!でも他言は禁じ手。
「オースティン・パワーズ」は“おバカ映画”と称するのがピッタリだけど、決してB級じゃない。
笑える一級のエンターテイメント作品。ホント豪華。
また「SWエピソード3」の頃に新作をぶつけて欲しいと切に願う。


ウインドトーカーズ (2002-8/5)
“静と動”で見せる構成、スローモーションを多用するアクションシーン、まさにジョン・ウー作品。
アクションものが得意のジョン・ウーだからといって、戦闘シーンだけを“売り”にしている訳ではない。
戦争の残酷さや悲しみを伝えようとする正真正銘の戦争映画。
戦争という大きなテーマの中で、個人(主人公)の心の葛藤をメインに描く内容なので、
観客の気持ちは彼と容易く同化し、悲しみや辛さを共有する擬似体験に陥る。
ここ最近の数本の戦争映画の中では、完成度が一番高い。
ニコラス・ケイジとクリスチャン・スレーターの髪薄コンビ起用は偶然?(^^;


トータル・フィアーズ (2002-8/1)
世界規模の大事件をCIA分析官が体当たりで調査するという話なんだけど、
全編通して地味な緊張感が持続するだけで、見応えが全くない。
最初の約1時間で事件発生までの経過を説明臭く紹介。そして核爆発。
事件が起きた時点で、観客はほぼ真相を知ることができる。知らないのは主人公たちだけ(^^;
観客が周知の内容を後追いでベン・アフレックが謎解き!...って退屈だわ。
大ヒット小説の映画化だから敢えてそういう“作り”なのかなぁ?納得いかないなぁ。
始まって即、事件。ベンと共に観客も徐々に真相を知っていく...それでいいじゃん。
「ディープ・インパクト」と「スパイゲーム」の“つまらない”部分をメガミックスしたような作品。


タイムマシン (2002-7/30)
なんだコレ?バカバカしい!と思うか、おおスゴイ!と思うか、どっちかでしょう。
僕的には後者。見応えたっぷり!スクリーンから目が離せない!
CG技術が高く評価されてる近年の数あるSF映画、
どれもそんなに素晴らしいとは感じないが、この作品には圧倒された。
CGを駆使すればどんな映像だって可能なのは当たり前。この映画は使い方のセンスが良い。
CGを派手派手に見せるのではなく、オールドファッションな画にキッチリ馴染ませてる。
特に、タイムマシンが時空移動する時の移り変わりを映像で見せるシーンは傑作!
凝縮した上映時間も、(薄くても)人間ドラマがあることも、この作品の良いポイント。
でも、まあ、敢えてバカにするなら、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「猿の惑星」二本立てって感じ(^^;


春の日は過ぎゆく (2002-7/26)
ストレート。とてつもなくストレート。徹底的にストレート。
見知らぬ男女が出会い、恋愛、別れ、思い出への昇華...
それ以外の余計なエピソードは描かれない。ラブストーリー真っ向勝負。
ベタでシンプルな恋愛映画は観ていて退屈する場合が多い。
が、しかし、さすが「八月のクリスマス」のホ・ジノ監督作品。
スクリーンから目が離せない程に切なくなり、ベタだと分かりつつも泣ける。
観賞中、実際に自分が映画の中で恋愛をしてるような擬似体験に陥り、
観終わった時、精神的な脱力感でツライ気持ちいっぱいになった。
主演のイ・ヨンエはとてもキレイ。ファンになりそう(^^;


アイス・エイジ (2002-7/24)
CGアニメだからって、その緻密さ等を特別評価するつもりはない。
ストーリー、セリフ、カット...にどのくらいセンスがあるか?が重要ポイント。
確かに、楽しめるファンタジーではあるが、それならそれで一貫性が欲しい。
全体的に見て、鳥のスイカを奪うシーンだけは異質なものを感じた。
そこには主人公たちの“優しさ”が一貫していない。少し残酷なシーンに思えた。
でも、この映画で何より気に入ったのは、メインストーリーと関係なく登場するリス?のスクラット。
スクラットだけの30分程の短編が観てみたい!


バーバー (2002-7/19)
さすがコーエン兄弟作品。センスが良い。安心して観ていられる。
コーエンの犯罪ものはストーリーが面白い。なんたってベタな展開は御法度。
話は思いもよらぬ方向へ進んで行き、ほくそ笑みながら物悲しい。
複雑なようで単純。単純なようで複雑。平凡のようで非凡。非凡のようで平凡。
主人公の人生と自分の人生を重ね合わせつつ、
生きることの悲哀をしみじみ感じ、思いを廻らせることもできる。
この映画には“余分なもの”がない。そして“足りないもの”もない。
わざわざ京都まで観に行った甲斐があった。


猫の恩返し/ギブリーズepisode2 (2002-7/15)
宮崎アニメじゃないと分かっていても、「もののけ」「千と千尋」ほどの作品を期待してしまう。
そして、やっぱり、その期待は裏切られる...という作品。
とにかく脚本が浅い。主人公が心理的に転機するエピソードが薄い。
なので物語に説得力がない。70分程度の短い映画だから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど、
ジブリアニメはもっとクオリティの高いものを作れるはず!がっかり。
「ギブリーズ」という短篇と二本立てというのも困りもの。(「ギブリーズ」の内容自体は好き)
映画を観る場合“約2時間の集中”する心の準備をしているのに、
短篇二本立てだと、途中で集中力が途切れ、映画を観たという充実度が欠ける。
池脇千鶴の声優ぶりは好印象。


ドッグ・スター (2002-7/2)
盲導犬が人間の姿を借りて、仔犬の頃に世話してくれた女のコに会いに行く...
という基本設定に心惹かれ、期待して観たのだが、
監督(脚本も兼ねてる)のセンスが僕的には合格点ギリギリアウトって感じだった。
余裕のない説明口調な展開、そして意外にもエピソードてんこ盛りな脚本。
もっと淡淡とした作りでいいのに、なんか妙に濃過ぎ。
セリフの選び方も取って付けたような具合で、ちょっと興醒め。
でも最後には話の基本設定の強さ、ピュアな愛に負けて涙ポロリ(^^;
ピュアな愛...って言っても、冷静に見れば自分勝手な愛情で、
相手に対しても、周囲の人々にも迷惑かけてばかりなんだけどさぁ。


パコダテ人 (2002-6/24)
ある日、突然、女子高生にシッポが生える!という青春ラブファンタジー。
始まって5分もしないうちに本題に入る導入部、
テンポ良い展開、上映時間82分の簡潔さ、とにかく飽きずに観れる。
女子高生と役所職員、それぞれの話が平行するのも巧妙な手口。
こういうタイプの邦画はB級映画に成り下がりがちだが、
この作品はセンスの良いポップな映画として成立している。
細かい点で僕好みじゃない展開もあったが、基本的には好きな作品。
気負いなく気軽に楽しめる邦画です。


パニック・ルーム (2002-6/10)
自分の身に危機が迫った時、スーパーヒーローは助けに来ない。それが現実。
結局は、自分のことは自分で守るしかない!ってのがテーマだと思う。
それが現実...って言っても、緊急非難室が設置してある家ってのが非現実的なんだけどね(^^;
話は単純明快。説明しちゃえばホントなんてことない話。
そんななんてことない話で緊張感を2時間持続できるのは、
フィンチャー監督の腕の見せどころ...でしょう。
必要か否かはさて置き、ミクロな映像を挿入する場面は注目。
起承転結の“承”と“転”だけを楽しむ映画かなぁ。
3人組の犯人に善人がひとり居るってのが、いかにもご都合主義な映画的で興醒め。


スターウォーズ エピソード2 (2002-6/8)
この作品を敢えて例えるなら...“退屈しない「ロード・オブ・ザ・リング」”
あるいは“USJ「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド」の2時間版”
どうせなら映画に合わせて劇場の客席が上下左右に揺れて、
体感型シュミレーションアトラクションだったら、もっと楽しいのに(苦笑)
ストーリーは単純明快。約30字で説明できる。
銀河系の秩序は乱れ始めましたぁ。アナキンとアミダラは禁断の愛ですぅ(^^;
テーマパーク状態の迫力ある映像をお楽しみあれ!って感じ。


マジェスティック (2002-6/6)
監督が必ずしも脚本を書かなければならないとは思わない。原作本の有無も然り。
映画製作において、これが正しいといった役割分業のパターンはない。
でもこの作品に関して僕が引っ掛かるのは、ダラボン監督が脚本を手がけていないという事だ。
監督自身が脚本も務めていた前2作「ショーシャンク...」「グリーンマイル」は最高傑作だった。
前2作とも、僕の心と映画とがピタリと重なる気がした。心の引き出しを開けられた。
がしかし、今回の作品は距離感を感じる。映画の中に自分を埋没できない違和感だとも言える。
テーマは素晴らしい。好きな内容。ストーリーも映像も展開の“間(ま)”もセンスが良い。
では何故?“赤狩り”という馴染みのない題材だから?
僕は思う...ダラボン監督がこの作品に注ぐ愛情が足りないのではないかと。


ワンス・アンド・フォーエバー (2002-5/23)
正真正銘の反戦映画。無くてはならないタイプの作品。
特別変わったメッセージは必要ない。もちろん反戦を唱えるだけで充分。
でもどうだろう?他の戦争映画と格別化できるか?
数々のこういう作品を観慣れてしまい、新たに何も感じなくなる自分がコワイ気もする。
それと、メル・ギブソンが主演である必然性、あるいは必要性を見出せない。
似たような戦争映画が沢山作られることは是か非か?


アイ・アム・サム (2002-5/20)
ショーン・ペンの独壇場。ショーン・ペン、オン・ステージ状態!
見どころはショーン・ペンの演技に尽きる!と言っても過言ではない。
(↑デフォルメし易い分、実はそんなに難しい役だとは思わないけどね)
そして娘役のダコタ・ファニングちゃんもカワイイ。目が離せないッ!
全編に流れるビートルズのカバー曲もより良い効果があると言える。
聴き馴染みの名曲を使用することで、この映画に容易く親近感が湧く。
例えばラブストーリーものは愛情が冷めたり、裏切りや憎悪もあるだろう。
でも、父と娘のピュアな愛、もう安心して観ていられる。
安心して映画に身を委ねて、そして泣く...(;_;)


愛しのローズマリー (2002-5/9)
う〜ん、さすがファレリー兄弟作品。センスが良いね!
しかも今作は笑えるだけじゃなく...泣けるッ。
コメディに涙は要らない!という意見もあるけど、
笑えて泣ける映画はエンターテイメントとして一級でしょう。素晴らしい。
この作品は脚本以前にストーリー設定を思いついた時点で“ファレリー兄弟の勝ち”って感じ。
ファレリー兄弟の次回作が待ち遠しいよぉ。
この作品に限りグウィネス・パルトロウはカワイイ(^^;


スパイダーマン (2002-4/25)
もの凄い映像!という評判だったけど、なんてことない(^^;
しかもアクションシーンのCG技術が凄ければ凄い程まるでアニメみたくなる。
漫画ヒーローを映画化した作品は数あるけど、どれもこれも“映像だけが売り!”でイマイチ。
でもこの作品はスパイダーマンが活躍する以外の人間ドラマの比率が割と高い。
クラスメイトに片想いの地味な主人公。その友情や夢も描かれる。
まあベタな内容だが、ドラマ部分が多いのは僕としては楽しかった。
華のないトビー・マグワイアはハマリ役!いい感じ!


アトランティスのこころ (2002-4/23)
惜しい!実に惜しい映画!
感動できる要素は幾つかあるのに、そのどれも描き方が中途半端。
少年と老紳士の心の交流も、少年と友達の友情も、
そしてガールフレンドとの仲も、それぞれが浅く薄い印象しかない。
この作品、野球の打者に例えるなら...
場外に飛ばす程のファールを連発、引っ張るだけ引っ張り最終的には内野フライみたいな(^^;
ある意味、スティーブン・キングらしい作りだなぁと落胆してしまう話だった。


サウンド・オブ・サイレンス (2002-4/9)
精緻なプロット、かつてない興奮...という宣伝文句は嘘でしょう?
幼稚なプロット、ありふれた興奮...の間違いじゃないの?言い過ぎかな(^^;
たいして話が面白くもないのに、音響とテンポだけでテンションを高めるベタなサスペンス。
起承転結の起と結だけ見れば、複雑な話でもなんでもない。むしろ単純。
原作小説がアメリカで賞を獲ったらしいけど、こんなんでええの?へえ(@_@)
2年後くらいに「日曜洋画劇場」でやりそうな映画だな。
ブリタニー・マーフィって、どっかで見たことあるなぁと思ったら、
「17歳のカルテ」のコなんだね。このコは良い。


ALI アリ (2002-4/4)
人種差別問題、ベトナム戦争徴兵...
それらの内容に関しては、正直言ってリアルに共感できなかった。
なので心のメーターの針が揺れ動くことはない映画だった。
ただ、苦境の中でも自分の信念を守り通そうとするアリの姿には勇気づけられる思いがした。
実話を硬派に描くマイケル・マンの作風は、僕としては好みではないが、高く評価すべきところ。
そして、肉体的精神的にも変化して役作りをするウィル・スミスの熱演も圧倒的。
ウィル・スミス、あんたシンガーなのになぜそこまで頑張るぅ?(^^;


ブラックホーク・ダウン (2002-3/22)
A=B。B=C。故にA=C。という三段論法的メッセージを、
明白にスクリーン上に唱うような描き方をしていない作品である。
戦火を舞台にした映画が必ずしも“戦争映画”だとは思わないが、
この作品は間違い無く“戦争映画”なのだ。
上映時間のほとんど、約2時間が戦闘シーンであり、そこに監督自身の解答的なメッセージはない。
戦争をリアルに、まるでドキュメントかのように延々と見せることによって、
観客が自分なりの感情、思惟を廻らせなければならない。
自分が戦場真っ只中で傍観してる錯覚に陥る。


ビューティフル・マインド (2002-3/18)
やられたぁ!まるで道を歩いてたら曲がり角でワッ!と誰かに驚かされたような映画。
実在の天才数学者が戦時中の国家に利用される苦悩を描いた話...
という予備知識だけで観ていたら、トテツモナイ展開にびっくり!
ある意味「シックス・センス」みたいな衝撃に圧倒される。
前半はスパイものサスペンスって感じで、ロン・ハワード監督には御手の物カテゴリー。
でも後半は“実は感動する物語”へと転じていく。とても悲しく、とても切なく、とてもツライ。
良く出来た見応えある作品。ラッセル・クロウの演技も見物。
感情移入して観れば、確実にツライ気持ちになるでしょう。


マルホランド・ドライブ (2002-3/17)
今、欲しいモノ...この映画の謎解きガイドブック!(^^;
だってさぁだってさぁ、何ひとつ分からないんだも〜ん!(@_@)
冒頭から謎。そして次々に謎が増えていき、明かされないままエンディング。
ミステリアスな話だが、それでも中盤までは順序良く話が展開してた。
明快な一筋の光が現れるのを期待して観てた。
が、しかし、後半はグチャグチャ。むしろグチョグチョ。ポルノと化す。
きっと全ての謎の答えなんてあり得ないんだぁ!そういう映画なんだぁ!
リンチ自身、もし100%の解答があるなら、それはアッパレ!だけどね。


シッピング・ニュース (2002-3/5)
ラッセ・ハルストレム監督作品は過剰な演出をせず、坦坦と日常を描く。
日常と言っても、心に傷を持った人物、人生悲哀だらけの日常を描くので、
そういった意味では、主人公に容易く共感できるし、繊細な内容も好きになれる。
が、しかし、逆に言うと、映画としては退屈極まりない出来になってしまうことは否めない。
ハルストレムの作品には沢山の人物の“悲哀”がある。
それらを感じとり、自分なりに昇華できれば、自分にとって掛けがえない大切な映画になるだろう。
でも僕はこの映画、“何もない”あるいは“ベタな何かしかない”と思った。


アメリカン・スウィートハート (2002-2/28)
めちゃめちゃ無難なラブコメディ。
つまんな〜い!と大声を出す程でもなく、面白かった!と豪語する程でもない。
でも、もし、ジュリア・ロバーツを筆頭に有名どころが出演していなかったら、
内容的には確実にB級作品だと思う。正真正銘のB級ラブコメ。
ビリー・クリスタル自身が脚本も手がけてることもあって、ビリーが一番おいしいことになってる。
ビリーの笑いが好きな人にはヨダレものでしょう(^^;
僕は役者的にはジョン・キューザックが好きだけどぉ。
まあ1週間もすれば内容を忘れてしまうような程度の映画。可もなく不可もなく。


オーシャンズ11 (2002-2/27)
ジョージ、ブラピ、マット、ジュリアが出演で、監督がソダーバーグ...
という名目じゃなかったら、こんな映画、誰も観ない!
ハッキリ言って僕はつまんないと思う。えらく退屈した。
特別テンポが悪い訳じゃないけど、もっとテンポ良い作品を期待してたのになぁ。
仲間を集めたり、犯罪計画の打ち合わせがダラダラ長く、
多少は見応えあった強盗本番はラスト30分だけ。
ソダーバーグだからオシャレな作りなのは認めるけど、もっとハラハラドキドキさせてほしかった。
それと、映画的に犯罪者11人の登場は多過ぎ(^^;


化粧師 (2002-2/22)
この映画はストーリーを観る作品ではなく、豪華役者陣を堪能する作品ではないか?
メインキャスト以外の端役も有名どころのオンパレード。
どのシーンにも確実に有名人の姿が...!それが逆に内容にのめり込めない悪要素となってる。
エピソードが沢山あるのは話的に充実してると言うよりも、それぞれが浅くなりがち。
恋愛話がメインでない事と映像が美しい事は高く評価できる。
椎名桔平、菅野美穂、池脇千鶴、柴咲コウ...の演技力も観る価値あり。
この映画、ストーリー的には池脇千鶴が一番おいしい役でございます。


ロード・オブ・ザ・リング (2002-2/21)
例えば...園児のミキちゃんは初めてのおつかいで八百屋まで行きます。
途中で転んだり道に迷ったりと困難もあります...などと二行もあれば足りる話を、
仰々しい音と偉そうな映像で引き伸ばせるだけ引っ張りまくった三時間。
ああ疲れた。ああ退屈。上映中、何度も時計を気にしてしまったよ。あはは。
原作は読んでないし、三部作だから全部を観なきゃ判断しづらいけど、
でも1本目が派手な様で実は地味みたいな調子で3時間もあったら、後は観る気なくなるなぁ。
「ハリー・ポッター」みたく子供向けに媚びてない“作り”は良いんだけどね。
主演のイライジャって、ジャイケル・マクソンぽくない?(^^;


モンスターズ・インク (2002-2/12)
無理に例えるなら米版「千と千尋の神隠し」(^^;
「千と千尋...」を簡略化してポップさ満載のエンターテインメントにした感じ。
ストーリー設定の発想は見事!モンスターズ株式会社のアイデアには感服!
楽しくて笑えてホロリとして素晴らしい最高のファンタジィ。
ただ、「トイストーリー」以上の期待をしていたのに期待を超える程ではなかったのが少し残念。
モンスターズ株式会社が最後にどうなるか?の展開はすごくすごく好きッ。
あと、最後の最後のシーンは“何年か後”というオチの方が涙量倍増な気がする。
今の自分が躍起になって守ろうとしているモノよりもっと大切なモノがあるんじゃないか?...
そんなことを考えてしまう映画でもあった。


ラットレース (2002-1/16)
賞金目当てに6組の参加者が競い合うギャグ満載ロードムービー。
日本人には合わない“笑い”や下品なギャグだけのB級以下映画だと思っていた。
でも、これが観てびっくり。6組それぞれのシーンが巧みにリンクしたりして、
充実した内容の立派な(!?)コメディ作品。
よくもまあこれ程アイデアが思いつくなぁと感心してしまう爆笑ネタの連続。
誰が観ても、自分のツボにはまる“笑い”が幾つかあるんじゃないかなぁ。
上手くオチた豪華なエンディングもGood!
2002年、大穴の作品だね。ああ楽しかった。


息子の部屋 (2002-1/12)
こういう淡淡とした映画は好きだ。でもシンプルな作品であればある程、
間(テンポ)、セリフ、映像、人物像、そしてテーマが大切な要素だろう。
それらの要素、この映画は決して悪くはない。
悪くはないが、僕のセンスにピタリと合うものではなかった。
なので、感情移入も感動もすることなく、むしろ少し退屈気味だった。
“作り方”に関して僕的な要望を敢えて言うなら...
息子に関するエピソードがもうひとつは欲しい。
息子が死ぬところから始めて、回想シーンを増やす方が良い。


アメリ (2002-1/11)
アメリ...最高!幸せェ!かわいい!センス抜群!
こんな素敵な映画を観られて、笑顔とび越えて涙ちょちょ切れ。
ホント幸せな気分に誘われる2時間。心地良い余韻にも包まれる。
意外とシーンとした客席で、二度ほど僕は声を出して笑ってしまった。
そして全編ずっとニヤニヤしながら観てしまったぁ。
共感しまくりの内気でコミュニケーション下手な登場人物たち、
そしてポップな映像、粋な演出もイケてるイケてる。イケ過ぎ!
この映画を観るか否かでココロの温度が違ってくるよ。
でも冷静に見れば、アブないアメリの小犯罪映画だったりするんだけどね(^^;


WASABI (2002-1/8)
こりゃある意味、見どころ満載だわなッ!
欧米人から見た間違った日本観。ロケ地は日本なのにフランス映画。
フランス映画なのにパフィーや鬼束の音楽。そして(劇中)急に泣き出す広末涼子。
邦画を字幕で観たようなアナーキーな感覚になっちゃう(^^;
邦画のつまらない作品にジャン・レノ特別出演!みたいな感じ。
大活躍の広末はこの役柄、地でやってるねぇ。はまり役!
腹へったからコンビニで百円おにぎり買って済まそう的な映画だな。
“リュック・ベッソン−プレゼンツ”に騙されてはいけない。